需要予測は過去の実績から学習します。だからこそ、「実績に混ざったイレギュラー」をどう扱うかが予測の質を決めます。
「α-発注」には、売れ方の急変を扱う道具が2つあります。一時的な山を予測から取り除く「突発出荷の除外」と、売れ方の水準が変わったことを予測に伝える「変化点の指定」です。このページでは、それぞれの設定内容と使い分けを紹介します。
この機能が解決する課題
- テレビ紹介・SNSのバズによる一時的な出荷急増が実績に残り、その後の発注量が過大に出る
- 大口のスポット注文が「毎月の需要」として学習されてしまう
- 販路拡大や定番採用で売れ方の水準が変わったのに、予測が古い実績に引きずられて追いつかない
- 棚卸し・移倉・店舗改装などで出荷が乱れた期間が、需要として学習されてしまう
課題の背景と全体像は「テレビ・SNSで急に売れた商品の発注が過剰になって困っている」で解説しています。本ページは機能側の説明です。
2つの道具の使い分け
| 突発出荷の除外 | 変化点の指定 | |
|---|---|---|
| 使う場面 | 一時的な山(バズ・スポット注文・出荷の乱れ)。今後は繰り返さない | 水準の変化(定番採用・販路拡大・値付け変更)。新しい売れ方が続く |
| 設定内容 | 対象の商品と期間を指定し、一時的な動きを通常需要として扱わない | 売れ方が変わった日付を指定する |
| 予測への効き方 | 一時的な山の影響を抑え、平常時の需要傾向を保つ | 新しい需要水準に合わせて予測を切り替える |
| 判断の目印 | 「その要因は繰り返さないか?」がYES | 「新しい売れ方がこれからも続くか?」がYES |
迷ったときの判断軸はひとつです:その売れ方の変化を、来月も期待するか。 期待しないなら除外、期待するなら変化点です。
突発出荷の除外:設定と挙動
商品と期間を指定して除外を登録します。登録すると、その期間の一時的な動きが通常需要として扱われなくなり、急増後も発注量が過大に出続けることを抑えられます。
- 後からの登録も可能です。「先月の急増を除外し忘れていた」場合も、期間を指定して除外すれば以降の計算に反映されます
- 出荷の急増だけでなく、棚卸し・移倉・改装などで出荷が乱れた期間(実需と関係ない出荷や出荷停止)にも使えます
- 昨年実績を季節性の参考にする商品での除外期間の扱いは、商材や設定によって異なります。運用のしかたは導入時にご案内します
変化点の指定:設定と挙動
売れ方の水準が変わった日付を商品に対して指定します。指定すると、予測はそれより前の実績への依存を弱め、変化後の実績を重視した水準に切り替わります。
- 定番採用・販路追加・メディア定着など、「売れ方の新しい段階」が始まった場面で使います
- 変化直後は実績の蓄積が少ないため、予測値を直接指定する機能(予測値指定)を併用して立ち上がりを支えることもできます
気づくための機能:監視と計算根拠
除外や変化点は「気づいてから」使う機能です。気づきの側は、次の機能が支えます。
- 売れ方の急変・欠品リスクの監視:売れ方が急に変わった商品や欠品リスクが高まった商品を、設定した条件に基づいて検知して知らせます
- 計算根拠の表示:推奨発注量の計算根拠は日本語で確認できます。「予測が高すぎる気がする」ときに、どの期間の実績が効いているかを確認したうえで、除外・変化点の判断ができます
活用シーン
シーン1:テレビ紹介の翌月、発注量が跳ね上がるのを防ぐ 紹介期間の出荷を除外登録し、平常運転の予測を保ちます。→「テレビ・SNSで急に売れた商品の発注が過剰になって困っている」
シーン2:大手チェーンでの定番採用が決まった 採用開始日を変化点として指定し、立ち上がりは予測値指定で支えます。
シーン3:倉庫移転で1週間出荷が止まった 停止期間を除外登録し、「売れなかった週」が需要の低下として学習されるのを防ぎます。
よくある質問
Q. どの程度の急増から「除外すべき」ですか? A. 機械的な閾値より、「その要因が繰り返すか」で判断するのが実務的です。繰り返さない要因(バズ・スポット注文)による目立った山は除外、繰り返す要因(季節・セール)は除外せず、季節性の学習やイベント設定で扱います。迷うケースの判断は導入時の伴走の中でご一緒に整理します。
Q. セールの実績はどう扱えばいいですか? A. 毎年・毎回繰り返すセールは「突発」ではないため、除外ではなくイベントとしての扱いが基本です。→「セールのたびに発注量の手計算で困っている」
Q. 除外や変化点を使いすぎると、かえって予測が不安定になりませんか? A. 使いどころを絞るのが原則です。日常の細かな上下は需要のばらつきとして安全在庫が吸収する設計なので、除外・変化点は「原因を説明できる明確なイレギュラー」に限定して使います。
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