SOLUTION|課題別ソリューション

テレビ・SNSで急に売れた商品の発注が過剰になって困っている——予測の狂いを防ぐ方法

ある商品がテレビで紹介され、翌日から注文が殺到。在庫はあっという間に空になり、急いで追加発注——ここまでは、嬉しい悲鳴の話です。

問題はその後に起きます。ブームが落ち着いた頃、発注量の計算が「先月はこれだけ売れた」という実績に引きずられて、もう来ない需要のための在庫を積んでしまうのです。数カ月後、倉庫にはバズの名残の過剰在庫が静かに残ります。

この記事では、突発的な売れ行きが発注を狂わせる仕組みと、「α-発注」での解決方法を紹介します。

課題の解説:突発需要は「二度」発注を狂わせる

メディア露出・SNSのバズ・大口のスポット注文といった突発需要は、発注計算を2回、別の方向に狂わせます。

1回目:欠品(スパイクの最中)

突発需要そのものは事前に予測できません。在庫が尽きれば欠品になり、せっかくの追い風で売り逃しが発生します。ここは「いかに早く気づいて追加発注するか」の勝負です。

2回目:過剰在庫(スパイクの後)

より厄介なのがこちらです。発注量の計算は、どんな方法であれ「過去の実績」を土台にします。移動平均でも、担当者の感覚でも、AIの需要予測でも同じです。突発的な売上が実績に混ざると、計算の土台そのものが汚染され、その後しばらく発注量が過大に出続けます。

しかも影響は1回で終わりません。「先月の実績」を参照する計算なら1〜2カ月、年間の季節性を学習する仕組みなら、来年の同じ時期にまで幻の需要が現れることがあります。

見分けの難しさ:それは「一時的な山」か「新しい水準」か

さらに難しいのは、売れ行きの急増には2種類あることです。

  • 一時的なスパイク:テレビ紹介・バズ。数日〜数週間で元の水準に戻る → 実績から除外すべき
  • 水準の変化:定番採用・販路拡大・競合撤退。売れ行きが新しい段階に移った → 実績としてむしろ重視すべき

どちらとして扱うかで、正しい発注量は正反対になります。この判断を全商品について人手で行うのは、現実には不可能です。

一般的な対処法と、その限界

  • 記憶と手動補正:「あの商品は6月にテレビで紹介されたから、多めに出た分を差し引いて考える」→ 担当者の記憶が頼り。商品数が増えると追いきれず、担当交代で消える
  • Excelで異常値を手で削る:実績データからスパイク期間を削除して計算 → どの期間を・どの商品で・どこまで削るかが毎回の手作業。翌年の季節性への影響までは手が回らない
  • 何もしない:「そのうち馴染むだろう」→ 馴染むまでの数カ月間、過剰発注が続く。在庫として現金が寝る

「α-発注」でのソリューション

「α-発注」は、突発需要の「最中」と「その後」の両方に仕組みで対応します。

その後の過剰を防ぐ:突発分を学習から除外する

一時的なスパイクと判断した出荷は、期間と商品を指定して需要予測の学習から除外できます。除外された期間の実績は計算に使われないため、スパイク後の発注量が実績に引きずられて過大に出続けることを抑えられます。昨年の実績を季節性の参考にする商品での扱いなど、除外が予測にどう反映されるかは商材や設定によって異なるため、導入時に運用方法をご案内します。

大口のスポット注文が入った場合も同様です。「今回だけの特需」を実績から切り分けておくことで、日常の発注計算は平常運転を保ちます。

「新しい水準」への移行はきちんと反映する

一方、売れ行きが本当に変わった場合(定番採用・販路拡大など)は、売れ方の変化点を指定できます。変化点より前の実績への依存を弱め、新しい水準に基づいた予測へ素早く切り替わります。

「除外」と「変化点」という2つの道具があることで、一時的な山は無視し、本当の変化には追従するという理想の動きを、商品ごとに実現できます。

最中の欠品に早く気づく:売れ方の急変を監視する

売れ方が急に変わった商品や欠品リスクが高まった商品は、監視機能が検知して知らせます。バズに「気づいたときには在庫ゼロ」ではなく、動き始めの段階で追加発注の判断に入れます。

判断に迷ったら、根拠を見ながら決められる

「これはスパイクか、水準変化か」。迷う場面では、商品ごとの出荷推移と予測の計算根拠を画面で確認しながら判断できます。判断の結果は設定として残るため、同じ商品で同じ議論を繰り返す必要はありません。

あわせて読みたい・解決できる課題

よくある質問

Q. どこからが「突発」なのか、判断基準はありますか? A. 「その要因が今後も続くか」が判断軸です。テレビ・バズ・スポット注文のように繰り返さないものは除外、定番採用や販路拡大のように継続するものは変化点として反映——が基本の型です。迷うケースの判断方法は導入時の伴走の中でご一緒に整理します。

Q. 突発出荷の除外を忘れていたら、後から直せますか? A. はい。後から期間を指定して除外すれば、以降の計算に反映されます。気になる商品の予測が実態とずれていないかは、計算根拠の画面で随時確認できます。

Q. 欠品していた期間は「売れたはず」の分だけ実績が少なく出ますが、これも狂いの原因になりませんか? A. なります。「α-発注」には、欠品期間の販売実績を補正して扱う設定(商品ごとに補正のしかたを指定)があり、「欠品したせいで予測が下がり、また欠品する」という悪循環を防ぎやすくなります。


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この記事の目次
  1. 課題の解説:突発需要は「二度」発注を狂わせる
  2. 一般的な対処法と、その限界
  3. 「α-発注」でのソリューション
  4. あわせて読みたい・解決できる課題
  5. よくある質問

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