SOLUTION|課題別ソリューション

新商品の発注量をどう決めればいいか分からない——実績ゼロから適正発注に着地させる3段階

需要予測は過去の実績から未来を推し量る技術です。では、実績が1件もない新商品の発注量は、どう決めればいいのでしょうか。

「とりあえず初回ロットで様子見」「営業の見込みを信じて多めに」——。新商品の発注は、どんなに経験を積んだ担当者でも判断が割れる領域です。読みが外れた結果は、発売直後の欠品(せっかくの立ち上がりを逃す)か、売れないまま残る初回在庫(そのまま死に筋化する)のどちらかになります。

この記事では、新商品の発注を「初回発注」「立ち上がり」「定常化」の3段階で考える実務フレームと、それぞれの段階をシステムでどう支えられるかを解説します。

課題の解説:新商品の発注は「3つの別の問題」でできている

新商品の発注が難しいのは、時期によって性質の違う3つの問題が続けて来るからです。

段階問い難しさ
① 初回発注発売時にいくつ持っておくか実績ゼロ。頼りは類似品・営業見込み・仕入先の最低ロット
② 立ち上がり期売れ始めの数字をどう読むか発売直後の売れ方は特殊(初回配荷・ご祝儀需要・認知の立ち上がり)。この期間の実績を鵜呑みにすると読みを誤る
③ 定常化いつから通常の自動計算に乗せるか「もう普通の商品として扱ってよい」タイミングの見極め。移行が遅いと手動管理が残り続ける

現場でよく起きる失敗は、この3つを区別しないことです。①の初回量の議論だけに力を注ぎ、②の立ち上がりの読み方と③の移行の仕組みがないまま、「新商品はずっと手動でケアする商品」として積み上がっていく——。商品開発が活発な会社ほど、発注担当者の「手動管理リスト」は膨らみ続けます。

一般的な対処法と、その限界

  • 営業見込みをそのまま発注:見込みは往々にして強気。外れたときの在庫責任が曖昧になりがち
  • 類似商品を頭の中で参照:「あの商品の立ち上がりに似てるはず」。参照の仕方が属人的で、根拠が残らない
  • 最低ロットだけ頼んで様子見:欠品リスクを在庫リスクより優先した判断。立ち上がりが良かった場合、補充が間に合わず売り時を逃す
  • Excelで新商品だけ別管理:管理表が増え、定常化への移行が「忘れたころ」になる

どの方法にも共通する問題は、立ち上がりの実績を次の判断に活かす仕組みがないことです。

「α-発注」でのソリューション

「α-発注」では、3つの段階それぞれに対応する道具があり、新商品を段階的に「普通の商品」へ移行させられます。

① 初回発注:類似商品の実績を「正式に」引き継ぐ

類似商品・先代商品の売れ方を参考にする——現場が頭の中でやってきたことを、設定として行えます。需要傾向の引き継ぎ機能で類似商品を指定すると、その特徴を新商品の需要予測へ反映できます。「どの商品を参照したか」が設定として残るため、判断の根拠を後から検証できます。

参照できる類似品がない場合は、予測値の指定で営業見込みや計画値をそのまま予測として与えられます。見込みが設定として明示されるため、「誰の・いつの見込みで発注したか」が曖昧になりません。

② 立ち上がり期:特殊な期間を学習から分ける

発売直後の特殊な売れ方(初回導入の集中出荷など)が、その後の需要予測を歪めないよう、販売開始直後の期間を学習から除外する設定があります。立ち上がりのブレに振り回されず、実力ベースの需要が見えてきます。

同時に、監視機能が立ち上がりの実際を追います。想定を超えて売れている・想定に届いていない商品が検知されるため、追加発注や見込みの下方修正を、感覚ではなくシグナルで判断できます。

③ 定常化:実績が溜まれば、自動計算にそのまま乗る

実績が蓄積されるにつれ、需要予測は引き継ぎ元や指定値への依存から、その商品自身の実績へと軸足を移していきます。「新商品リスト」から外して通常運用へ移す、という管理作業そのものが不要になり、手動管理リストが膨らみ続ける構造が断ち切られます

活用イメージ:毎月20点の新商品を出す雑貨メーカー

生活雑貨を企画販売するG社(商品点数 約6,000、毎月15〜20点の新商品を投入)のモデルケースです。

導入前:新商品の初回発注は企画担当の見込みベース。発売後3カ月は発注担当がExcelの「新商品ウォッチリスト」で手動管理。リストは常時50点を超え、管理が追いつかず「気づいたら欠品」「気づいたら過剰」が新商品の常態でした。

導入後:企画段階で類似商品を指定して実績を引き継ぎ、根拠つきの初回発注量を算出。発売後は監視機能が立ち上がりの逸脱だけを知らせ、実績が溜まった商品は自然に通常の自動計算へ。ウォッチリストの手動管理は、監視条件の設定に置き換わりました。

変化:新商品の欠品・過剰が「発見が遅れて悪化する」形から「早期に気づいて補正する」形に変わり、発注担当の新商品管理工数は大きく減少。企画側にも「どの類似品参照が当たったか」の振り返り材料が残るようになります。

よくある質問

Q. 参照できる類似商品が本当にない、まったく新しいカテゴリの商品は? A. 予測値の指定で計画値から立ち上げ、監視で実際の売れ行きを追って早期に補正する運用になります。「読めないものを読む」のではなく「外れに早く気づく」仕組みで支える考え方です。

Q. リニューアル品(後継品)の場合も同じですか? A. リニューアル品は旧商品の実績をそのまま引き継げるため、新規商品より精度高く立ち上げられます。詳しくは「リニューアル品・後継品に旧商品の実績を引き継ぎたい」をご覧ください。

Q. 初回発注の数量そのものも自動で出ますか? A. 引き継いだ実績・指定した予測値に基づいて、リードタイムや発注単位を織り込んだ推奨発注量が算出されます。最終判断は営業見込みや販促計画を踏まえて人が行う前提です。


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関連ページ

この記事の目次
  1. 課題の解説:新商品の発注は「3つの別の問題」でできている
  2. 一般的な対処法と、その限界
  3. 「α-発注」でのソリューション
  4. 活用イメージ:毎月20点の新商品を出す雑貨メーカー
  5. よくある質問
  6. 関連ページ

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