SOLUTION|課題別ソリューション

セールのたびに発注量の手計算で困っている——キャンペーン需要を発注に自動で織り込む方法

「来月の10日間、対象カテゴリ20%オフのセールをやります」。販促担当からの一報を受けて、発注担当者の手計算が始まります。「前回の同じようなセールは何倍売れたか」「対象商品は何点あるか」「入荷はセールに間に合うか」——。

セールは売上の山を作ると同時に、発注業務の山も作ります。そして計算を外せば、結果は2つに1つです。売り時の欠品か、セール後の在庫の山か。

この記事では、セール・キャンペーン時の発注の難しさを3つのフェーズに分けて整理し、イベント需要を発注計算に自動で織り込む方法を解説します。

課題の解説:セール発注には3つのフェーズがある

セールと発注の関係は、期間中だけの話ではありません。前・中・後の3フェーズそれぞれに、別の難しさがあります。

フェーズやるべきこと難しさ
事前セール期間中の需要増を見込んで、入荷が間に合うタイミングで多めに発注する「何倍売れるか」の見積もり。対象商品全点の計算。リードタイムからの逆算
期間中想定以上に売れている商品に気づき、追加発注の判断をする全対象商品の売れ行きを日々追いきれない
事後セールで膨らんだ実績が、その後の需要予測を歪めないようにするセール実績をそのまま学習すると、平常時の発注量が過大になる

多くの現場は事前フェーズの手計算で力尽き、期間中の追いかけと事後の実績処理までは手が回りません。セールのたびに事後の「見えない負債」(歪んだ実績)が積み上がっていく——これがセール発注の構造的な問題です。

「前回は2倍売れた」の罠

事前見積もりでよく使われる「前回実績の倍率」にも落とし穴があります。倍率は商品によって大きく違い(目玉商品は5倍、ついで買い商品は1.2倍)、セールの条件(値引き率・告知量・時期)によっても変わります。カテゴリ一律の倍率で発注すると、連休の一律積み増しと同じく「足りない商品と余る商品が同時に生まれる」結果になります。

一般的な対処法と、その限界

  • 担当者の経験則で倍率を決める:属人化の典型。担当が変わると精度が落ち、根拠が残らないため検証もできない
  • 販促と発注が別々に動く:セールの計画が発注担当に届くのが遅く、リードタイムに間に合わない。「セールなのに在庫がない」の多くは連携の問題
  • Excelでセール専用シートを作る:対象商品を抜き出し倍率をかける。作業として重いうえ、事後の実績処理(セール分を平常の計算から分ける)までは手が回らない

「α-発注」でのソリューション

「α-発注」では、セール・キャンペーンをイベントとして設定することで、3つのフェーズを通した対応が仕組みに載ります。

事前:イベント設定で需要の山を織り込む

セールの期間と対象商品を指定してイベントを設定すると、期間中の需要増が発注計算に織り込まれます。発注リストには、リードタイムから逆算してセールに間に合うタイミングで、増加分を含んだ推奨発注量が上がってきます。

対象商品全点の「倍率かけ算シート」を作る作業は不要になり、担当者は目玉商品など重点商品の見込みを確認・調整することに集中できます。

期間中:想定を超えた商品だけが知らせられる

売れ方が急に変わった商品や欠品リスクが高まった商品は、監視機能が検知して知らせます。全対象商品を毎日目視で追う必要はなく、「想定以上に売れている商品」への追加発注判断に絞って動けます。

事後:セールの実績が平常時の予測を歪めない

セールとして設定された期間の売上の扱いが整理されているため、セール後の平常時の発注量が「先週はあんなに売れたのに」と過大に出続けることを抑えられます。繰り返し行うセールであれば、回を重ねるごとにイベントの実績が次回の見積もりの材料になっていきます。

なお、イベントとして計画されていなかった突発的な売上の山(メディア紹介など)は、別の道具で扱います。→「テレビ・SNSで急に売れた商品の発注が過剰になって困っている

活用イメージ:月イチ特売のあるEC企業

自社ECで毎月「月初セール」を行うF社(商品点数 約9,000、対象商品は毎回300〜500点)のモデルケースです。

導入前:セールの1週間前に対象商品リストをExcelに抜き出し、担当者2名が過去の感覚で倍率を設定して発注量を手計算。セール後は「売れ残りの見切り」と「実績が膨らんだ商品の発注絞り込み」を目分量で実施。毎月この作業に計3日かかっていました。

導入後:販促計画が決まった時点でイベントを設定。対象商品の発注量は増加分込みで自動計算され、担当者は目玉商品30点ほどの見込みだけを確認。期間中は監視に挙がった商品だけ追加判断し、セール後の発注はシステムが平常の計算に戻します。

変化:セール発注の作業は3日から半日程度に。「セール明けの発注絞り忘れ」による過剰在庫が減り、毎月の見切り販売への依存が下がっていきます。

よくある質問

Q. ほぼ一年中、何かしらのセールをやっています。それでも使えますか? A. 常時セールが前提の商売では、「平常時の需要」と「セール需要」の切り分け方が論点になります。貴社の販促実態に合わせた扱い方を、無料運用診断の中で実データを見ながら検証・ご提案します。

Q. セールの計画が直前に決まることが多いのですが。 A. イベント設定は期間と対象を指定するだけなので、計画確定後すぐ反映できます。ただし入荷がセールに間に合うかはリードタイム次第のため、販促計画の共有タイミングを含めた運用設計をおすすめしています。

Q. 初めてやるタイプのセールで、過去の参考データがありません。 A. 見込みを予測値として直接指定する機能で立ち上げ、期間中の監視で補正していく進め方が基本です。回を重ねれば実績が蓄積され、見積もりの精度が上がっていきます。


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関連ページ

この記事の目次
  1. 課題の解説:セール発注には3つのフェーズがある
  2. 一般的な対処法と、その限界
  3. 「α-発注」でのソリューション
  4. 活用イメージ:月イチ特売のあるEC企業
  5. よくある質問
  6. 関連ページ

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