SOLUTION|課題別ソリューション

仕入先ごとの最低発注金額を守った、適切な発注リストを作りたい

「この仕入先は合計10万円以上から」。発注量の計算が終わった後に、この条件が立ちはだかります。

必要な商品の必要な量だけを並べた発注リスト(仕入リスト)は、それだけでは発注できないことがあります。仕入先ごとの合計金額が最低条件に届かなければ、何かを足すか、発注自体を見送るか——。この「金額合わせ」を毎回手作業でやっている方に向けて、条件を守りつつ余計な在庫を作らない発注リストの作り方を解説します。

やりたいことの整理

「最低発注金額を守った適切な発注リスト」の要件を分解すると、次の4つになります。

  1. 出発点は需要:各商品の発注量は、売れ行きに基づく必要量であること(条件合わせから発想しない)
  2. 仕入先単位で条件を満たす:商品ごとの必要量を仕入先別に集計したとき、最低発注金額(や重量条件)をクリアしていること
  3. 足すなら「無駄にならない商品」を足す:条件に届かないとき、埋め草ではなく、近い将来どうせ発注する商品の前倒しで埋めること
  4. 判断が記録に残る:なぜその商品が足されたのかを、後から確認できること

難しいのは3です。「何を足すか」の選択には全商品の在庫状況と売れ行きの知識が必要で、ここが担当者の頭と時間を奪います。

手作業でやると、こうなる

Excelでの一般的な手順はこうです。①商品ごとの発注量を計算する。②仕入先ごとに合計金額を集計する。③条件に届かない仕入先を見つける。④足す商品を考える。⑤足したら再集計して確認する——。

この手順には構造的な問題が3つあります。時間:仕入先の数だけ④⑤のループが回り、発注のたびに数時間の調整作業になります。在庫:④で選ばれるのは「思いつく商品・いつもの商品」になりがちで、この「合わせるための発注」が積もって過剰在庫の一因になります。属人化:「B社に足すならこれ」という知識は担当者の頭の中にしかなく、引き継げません。

条件そのものは変えられない以上、解くべきは「④を、勘ではなくデータでやる」ことです。

「α-発注」での実現方法

設定:仕入先ごとの条件を登録する

仕入先ごとに最低発注金額・重量などの条件を登録します(→仕様の詳細は仕入先ごとの最低発注金額・重量ルール)。Excelや担当者の記憶に散らばっていた条件の一覧化は、導入時の設定作業がそのまま「条件の棚卸し」になります。

毎回の発注:条件を織り込んだリストが最初から出てくる

発注リストは、需要予測ベースの必要量を土台に、仕入先単位の条件充足まで織り込んだ形で自動作成されます。条件に届かない仕入先については、もうすぐ発注が必要になる商品を前倒しする形で不足分を埋める案が組まれます。埋め草の発注ではなく将来の発注の前倒しなので、足した分は先々の発注が減る形で回収されます。

商品単位のケース入数・最低発注数の丸め(→ケース単位・最低発注数の自動調整)も同じ計算で処理されるため、「金額を合わせたら端数が崩れた」という条件間の行き来も起きません。

人がやること:確認と判断

追加候補には計算根拠が表示されるため、「なぜこの商品が足されたか」を確認したうえで確定できます。「今回は条件に届かないので見送り、需要を貯めて次回まとめて発注する」という判断も、リスト上の操作で行えます。条件合わせの計算は仕組み、発注するかどうかの判断は人、という分担です。

活用イメージ:金額合わせに毎回2時間かけていた加工食品・調味料卸

加工食品・調味料卸のW社(商品点数 約4,000、仕入先 約120社、うち半数に最低発注金額の条件あり)のモデルケースです。

導入前:発注日のたびに、仕入先別の集計と金額合わせに約2時間。条件に届かない仕入先には「とりあえず定番調味料を1ケース」という埋め草発注が常態化し、動きの遅い定番品の在庫が膨らんでいました。条件の一覧は担当者ごとの手元メモで管理され、チームで共有しにくい状態でした。

導入後:仕入先条件を設定に登録し、発注リストは条件充足済みの状態で出てくる形に。不足分の埋め方は「前倒し優先」の候補提示となり、担当者は根拠を確認して確定するだけになりました。

変化:金額合わせの作業がなくなり、発注日の所要時間が大幅に短縮。「とりあえず1ケース」の埋め草在庫が減り始め、仕入先条件は設定として明文化されて、誰が発注しても同じルールで守られるようになりました。

よくある質問

Q. 仕入先の条件が「金額」ではなく「合計ケース数」や「重量」の場合は? A. 金額のほか重量などの条件に対応します。条件の表現方法は仕入先によってさまざまなので、貴社の条件一覧がどこまで設定で表現できるかは、無料運用診断の中で実物を拝見しながら確認します。

Q. 条件がしょっちゅう変わる仕入先があります。 A. 条件は設定の更新で反映されます。むしろ「変わったのに古い条件のまま発注していた」という事故を防ぐ意味でも、条件を設定として一元管理する価値があります。

Q. どうしても条件に届かない小口の仕入先はどうすれば? A. 発注を見送って需要を貯める、発注サイクル自体を長めに設計する、といった仕入先ごとの発注リズムの設計で対応します。この設計も運用診断でご相談いただけます。


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関連ページ

この記事の目次
  1. やりたいことの整理
  2. 手作業でやると、こうなる
  3. 「α-発注」での実現方法
  4. 活用イメージ:金額合わせに毎回2時間かけていた加工食品・調味料卸
  5. よくある質問
  6. 関連ページ

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