SOLUTION|課題別ソリューション

担当SKUが多すぎて見きれない——抜け漏れなく発注したい

担当している商品は8,000点。発注は週2回。1点に10秒かけても、全部見るには22時間——。

計算するまでもなく、全SKUを人が見るのは物理的に不可能です。だから現実には「よく動く2割」だけを見て、残り8割は前回と同じ量を流すか、そもそもリストに目を通さない。そしてある日、見ていなかった商品の欠品連絡や、積み上がった在庫の山に気づく——。

この記事では、「見きれない」問題を根性や増員ではなく、見る仕事の分担を変えることで解く方法を解説します。

課題の解説:「見きれない」がもたらす静かな損失

SKU数が担当者の処理能力を超えた現場では、次のことが起きています。

  • 注意の偏り:目が届くのは売れ筋・直近でトラブルのあった商品だけ。注意の配分が「重要度」ではなく「目立ち度」で決まる
  • テールの二重苦:見られていない8割の商品で、欠品と過剰が同時に進行する。1点あたりの影響は小さくても、数千点の合計は大きい
  • 抜け漏れの常態化:発注し忘れ、切り替え忘れ、終売品への発注——「見ていれば防げたミス」が構造的に発生する
  • 増員しても解決しない:担当を増やせば1人あたりのSKUは減りますが、「人が全件を見る」前提のコストが線形に増えるだけで、構造は変わりません

一般的な対処法と、その限界

①ABC分析で見る商品を絞る:Aランクに注力する方針は正しいのですが、実務では「Cランクは見ない」の正当化になりがちです。見ないCランク数千点の欠品と滞留は、放置されたまま積み重なります。

②担当分割・増員:効果はありますが、採用難の中で「見る人を増やし続ける」のは持続的な戦略になりません。担当間の判断のばらつきという新しい問題も生まれます。

③チェックリスト・ダブルチェック:注意力への上乗せ要求は、SKU数が多いほど形骸化します。

共通する限界は、「人が見る」を前提にしたまま、見方を工夫していることです。前提そのものを変える必要があります。

「α-発注」でのソリューション:全件の計算は仕組み、最終判断は人

全SKUの計算は、毎回、仕組みが行う

「α-発注」では、全商品の需要予測・在庫水準・推奨発注量の計算が発注のたびに自動で行われます。人が見ていようがいまいが、8,000点全部が毎回計算されている——これが前提の転換です。テールの商品も、その商品なりの売れ方に基づいた発注量が毎回出てくるため、「見ていない商品の惰性発注」がなくなります。

監視アラートで変化を把握する

発注リストでは、全商品の推奨発注量と計算根拠を確認できます。売れ方の急変・欠品リスク・在庫の積み上がりなどは、別途、監視アラートで把握します(→監視アラート)。数量計算と変化の把握を仕組みが支援するため、担当者はゼロから計算するのではなく、生成された内容を確認して最終判断できます。

テールにも「持ち方の型」を与える

見られてこなかったロングテール商品には、商品グループごとの在庫方針(→商品グループごとの在庫方針設定)で「在庫効率優先の最小限の持ち方」という型を与えます。個別に見なくても、方針に沿った水準が自動で維持されます(→死に筋・ロングテール商品の在庫を最小限にしたい)。

発注リストを確認して確定する

自動生成された発注リストを担当者が確認し、必要に応じて数量を調整して確定します。計算作業を自動化し、確認と判断に時間を使えるようにすることで、多数の商品を扱う現場でも発注業務を進めやすくなります。

活用イメージ:2名で2万SKUを回す自動車部品・カー用品卸

自動車部品・カー用品卸のAI社(商品点数 約20,000、発注担当2名)のモデルケースです。

導入前:担当1人あたり1万SKU。日常的に見られるのは主要2,000点程度で、残りは「在庫が切れたら頼む」に近い運用。テール品の欠品による受注機会損失と、動きが止まった商品の滞留が、どちらも「気づいたとき」に発覚していました。

導入後:全SKUの計算を仕組みに移し、担当者は生成された発注リストの確認と、監視アラートへの対応を中心に業務を再構成。テール品には在庫効率を重視した方針を適用しました。

変化:「見ていなかった商品」の欠品・滞留の発覚が激減し、発注し忘れ・終売品への誤発注もなくなりました。担当者の時間は、大口案件対応や仕入先との調整といった、人にしかできない仕事に移っています。

よくある質問

Q. 例外(アラート)は1日にどのくらい来るのですか? A. 商品構成と監視条件の設定によりますが、「対応しきれない量の知らせは監視として機能しない」という前提で、導入時に条件を絞り込みます。日々の対応可能な件数に収まる水準に調整しながら運用を立ち上げます。

Q. 動きの少ないテール品は、いっそ受注発注(取り寄せ)に切り替えるべきでしょうか? A. 安易な切り替えはおすすめしません。納期を待ってくれる商品かどうか、欠品が取引関係に響かないかの見極めが先です。在庫を持つテール品は最小限の型で持ち、本当に受注対応でよい商品だけを切り替える——この選別も無料運用診断でご相談いただけます。

Q. 2万点の商品マスタや設定を整備するのが大変そうです。 A. マスタ類はCSVで一括登録でき、初期設定は弊社が伴走します。全点を精緻に設定してから始めるのではなく、方針の一括適用+主要商品の個別調整から始めて運用しながら磨く進め方が現実的です。


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この記事の目次
  1. 課題の解説:「見きれない」がもたらす静かな損失
  2. 一般的な対処法と、その限界
  3. 「α-発注」でのソリューション:全件の計算は仕組み、最終判断は人
  4. 活用イメージ:2名で2万SKUを回す自動車部品・カー用品卸
  5. よくある質問
  6. 関連ページ

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