「A社は毎週水曜が定休。B社は第2・第4金曜が休み。C社は年末年始に2週間止まる。D社は工場の夏季休暇が毎年微妙にずれる——」。
仕入先が数十社を超えると、休業日の管理はそれだけでひとつの業務になります。そして休業日の考慮漏れは、発注ミスの中でも実害の大きい部類です。休みに気づかず発注すれば納期が丸ごと後ろにずれ、欠品に直結します。逆に「連休が怖いから」と全体を多めに積めば、連休明けに過剰在庫が残ります。
この記事では、休業日を考慮した発注がなぜ難しいのかを整理し、「α-発注」での解決方法を紹介します。
課題の解説:「休業日の考慮」は3つの計算を狂わせる
仕入先の休業日は、単に「その日に発注できない」だけの話ではありません。発注計算の3カ所に影響します。
1. 発注タイミングがずれる
毎週木曜に発注していた仕入先が木曜祝日で休みなら、発注は前日までに済ませるか翌週に回すかを判断しなければなりません。翌週に回すなら、次の入荷までの期間が1週間延びる分、今回の発注量を増やしておく必要があります。
2. リードタイムが延びる
「発注から5日で入荷」の仕入先でも、間に連休を挟めば実際の入荷は10日後かもしれません。リードタイムが延びれば、その間に売れる分の在庫を余計に持っておく必要があります。休業日はリードタイムの一部なのです。
3. 連休前は「まとめ買い」が必要になる
年末年始やGWのように仕入先が長期に止まる場合、休業期間中に売れる分をすべて事前に確保しておく必要があります。しかも全商品一律に「◯日分」ではなく、商品ごとの売れる速さに応じた積み増しが必要です。よく売れる商品の10日分と、月に数個しか動かない商品の10日分では、意味がまったく違います。
一般的な対処法と、その限界
多くの現場では、この問題を次の方法で乗り切っています。
- カレンダーと担当者の記憶:「B社は第2金曜休み」を覚えている。→ 担当者が代わると事故が起きる。仕入先が増えると破綻する
- Excelの休業日メモ+手動調整:連休前に対象仕入先を洗い出し、発注量を手で増やす。→ 商品ごとの売れる速さまで加味した計算は現実的に無理で、「えいや」の一律積み増しになる
- 連休前の一斉多め発注:とりあえず全体を厚めに。→ 連休明けの過剰在庫と、それでも起きる売れ筋の欠品が毎年恒例になる
共通する限界は、休業日の影響が「商品ごと×仕入先ごと」の掛け算で発生するのに対し、人手の対処は「仕入先ごと一律」までしかできないことです。
「α-発注」でのソリューション
「α-発注」では、休業日の考慮を発注計算そのものに組み込みます。設定→計算→確認の流れで見ていきます。
設定:仕入先ごとの「発注カレンダー」を登録する
仕入先ごとに、発注サイクル(毎週何曜日か、何日おきか)、リードタイム、そして発注できない日・入荷できない日(定休日・祝日・年末年始などの休業期間)を登録します。一度登録すれば、以後の発注計算すべてに自動で反映されます。
計算:休業をまたぐ分は、自動で前倒し・積み増しされる
登録された休業日をもとに、「α-発注」は次を自動で行います。
- 休業日を避けた発注日・入荷日の想定:休業をまたぐ場合は実質のリードタイムが延びたものとして計算されます
- 連休前の発注前倒し:休業期間中に必要になる分は、商品ごとの需要予測に基づいて事前の発注に上乗せされます。よく売れる商品は厚く、動きの遅い商品は必要最小限に——という商品ごとのメリハリは、需要予測が自動でつけます
- 入庫の平準化:前倒しで発注が集中しそうな時期は、次回以降に発注する予定だった分の一部を先に発注することで、入庫の山を均す設定もあります(→発注の前倒しと入庫の平準化)
さらに、連休中の需要側の変化(お盆前の駆け込みで売上自体が増える等)があるビジネスでは、イベント設定で需要の山も織り込めます。仕入が止まる話と売れ方が変わる話を、それぞれ別の設定として扱えるのがポイントです。
確認:人は「前倒し分が妥当か」を見るだけ
連休前の発注リストには、前倒し・積み増し分が織り込まれた推奨発注量が並びます。担当者は計算根拠を確認しながら、金額の大きい商品や気になる商品だけをチェックして確定すれば完了です。「今年の年末年始はどの仕入先がいつからいつまで休みか」を思い出しながらExcelと格闘する作業は不要になります。
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よくある質問
Q. 仕入先が100社以上ありますが、休業日の登録は大変ではないですか? A. 定休日はパターン(毎週◯曜・第◯◯曜など)で登録でき、年末年始などの期間休業は期間指定で登録します。導入時の初期設定は弊社が伴走しますので、お手元の休業日情報をそのままお渡しいただければ結構です。
Q. 仕入先から急に「明日から臨時休業」と連絡が来た場合は? A. 休業日設定を更新すれば、次の計算から反映されます。次回入荷が遅れることによる欠品リスクが高まった商品は、監視機能で確認できます。
Q. 連休前の積み増しで、連休明けに在庫が余りませんか? A. 積み増しは商品ごとの需要予測に基づいて「休業期間中に売れる見込みの分」だけ行われるため、一律の多め発注に比べて連休明けの残りは大きく抑えられます。
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