欠品でお客様に迷惑をかけた。もう起こすまいと多めに発注するようにしたら、今度は倉庫に在庫が積み上がり、経営会議で「在庫を減らせ」と言われる。在庫圧縮に取り組むと、数カ月後にまた欠品が起きる——。
欠品対策と在庫削減のあいだを行き来する「いたちごっこ」は、在庫を持つ会社に共通する悩みです。そして現場は知っています。これは担当者の腕の問題ではなく、構造の問題だということを。
この記事では、いたちごっこが起きる構造を解き明かし、「欠品も過剰在庫も、発注のしくみで同時に減らす」方法を解説します。
なぜ「いたちごっこ」になるのか
在庫は「結果」であり、原因は毎回の発注にある
倉庫にある在庫は、過去の発注の積み重ねの結果です。欠品も過剰在庫も、その商品の「需要」と「発注量」のズレが積もったものにほかなりません。つまり、在庫の品質は、発注のしくみで決まります。
在庫だけを見て「減らせ」「増やせ」と号令をかけても、毎回の発注量の決め方が変わらなければ、振り子が逆に振れるだけです。
「全体で一律」の対策が振り子を大きくする
いたちごっこの典型は、対策が全商品一律にかかることです。欠品が続くと「全体的に厚めに持とう」となり、よく売れる商品もあまり動かない商品も一緒に積み増される。すると動きの遅い商品で過剰在庫が膨らみ、次は「全体的に絞ろう」となって、今度はよく動く商品が欠品する。
実際には、商品ごとに需要のばらつきも入荷までの日数も違うため、適正な在庫水準は商品ごとに異なります。数千〜数万の商品それぞれに適正水準を設定し、毎回の発注で維持し続ける——これを人手とExcelでやり切るのは、現実には不可能です。ここが構造問題の核心です。
「読めない売れ方」への場当たり対応
季節の立ち上がり、テレビで紹介された急な売れ行き、長期休暇前の駆け込み。イレギュラーのたびに記憶と勘で積み増しをすると、山が過ぎた後の在庫が残ります。イレギュラー対応が仕組み化されていないことも、振り子を大きくする要因です。
解決の考え方:商品ごとの「適正在庫」を自動で維持し続ける
いたちごっこを終わらせる鍵は、次の3つを仕組みにすることです。
- 商品ごとに需要予測と安全在庫を計算する(全体一律をやめる)
- 毎回の発注で、その水準を自動的に維持し続ける(人の頑張りに依存しない)
- 予測から外れた商品だけを人が確認する(例外に集中する)
この形ができると、「欠品を減らすために在庫を増やす」「在庫を減らすために欠品リスクを飲む」というトレードオフ自体が解消に向かいます。必要な商品には必要なだけ、不要な商品には持たせない——それを毎回の発注が自動で実行するからです。
「α-発注」での解決方法
AI自動発注サービス「「α-発注」」は、「発注工数は下げる。在庫品質は上げる。」を掲げ、まさにこのいたちごっこの解消のために設計されています。
商品ごとの需要予測×安全在庫の自動計算
東京大学発の需要予測AIが、商品ごとの需要と、そのばらつきを捉えます。ばらつきが大きい商品には厚めの安全在庫を、安定している商品には薄めの安全在庫を——という調整が全商品に対して自動で行われ、入荷までの日数や発注間隔まで考慮した推奨発注量が算出されます。
「欠品させたくない重要商品は厚めに」「処分しやすい商品は薄めに」といった方針も、商品グループごとの設定で反映できます。一律ではなく、商品ごとの適正在庫が毎回の発注で維持されていきます。
欠品リスクと過剰在庫、両方を監視する
欠品リスクが高まっている商品、在庫が積み上がりつつある商品、売れ方が急変した商品を、設定した条件に基づいてシステムが検知します。人は挙がってきた商品だけを確認すればよく、「気づいたときには手遅れ」を防げます。
イレギュラーは「仕組みで」織り込む
セールやイベントによる需要の山、季節性、長期休暇前の積み増しは、イベント設定や季節性の考慮によって発注計算に織り込めます。テレビ紹介による一時的な突発出荷を翌月以降の予測から除外することもでき、山の後に在庫が残るパターンを抑えられます。
改善が数字で見える
在庫・欠品の推移は管理画面で継続的に確認できます。導入企業では、在庫削減15%と欠品削減5%を同時に達成した実績があります(発注業務の作業量は75%削減、継続率90%)。「在庫を減らしたのに欠品も減る」は、商品ごとの最適化がもたらす典型的な変化です。
活用イメージ:「在庫削減の号令」から抜け出したEC企業
自社ECと卸を並行するB社(商品点数 約12,000、発注担当3名)のモデルケースです。
導入前:欠品によるレビュー低下を恐れて全体的に厚めの在庫運用。期末に在庫圧縮の号令がかかり一律に発注を絞った結果、主力商品で欠品が発生。以後「厚め→絞る→欠品→厚め」のサイクルを2年繰り返していました。
導入後:商品ごとに需要予測と安全在庫が自動計算され、動きの速い商品は手厚く、動きの遅い商品はリーンに、という在庫の「メリハリ」が発注のたびに自動でついていきます。在庫が積み上がり始めた商品は早期に検知されるため、期末にまとめて処分する前に手が打てるようになりました。
変化:半年で過剰在庫が約1割圧縮され、同時に主力商品の欠品率も1ポイント台の改善。「在庫を減らせ」の号令会議そのものがなくなり、会議の議題は「どの商品を伸ばすか」に変わりました。
自社の「いたちごっこ度」を導入前に診断できます
いたちごっこの深さは、商品構成・需要のばらつき・発注サイクルによって会社ごとに異なります。「α-発注」の無料運用診断では、
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データの加工は不要です。基幹システムから出したままのCSVで結構です。
よくある質問
Q. 欠品と過剰在庫、どちらの改善を優先すべきですか? A. 商品ごとに見れば「欠品しがちな商品」と「積み上がりがちな商品」は別なので、実は二者択一ではありません。商品単位で適正在庫を設定すれば、両方が同時に動きます。
Q. 需要が読みにくい商品が多いのですが効果はありますか? A. 需要のばらつきが大きい商品は、その分だけ安全在庫を厚く持つという形でリスクを織り込みます。「読みにくさ」を数値化して在庫水準に反映すること自体が、勘による一律対応からの大きな前進になります。
Q. 今の在庫が適正かどうか分からないのですが。 A. 無料運用診断の効果試算で、実データに基づいて「導入していたら在庫と欠品がどうなっていたか」をご確認いただけます。現状把握の材料としてもご活用ください。
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東京大学発の